症例ブログ

2015年7月30日 木曜日

小児先天性真珠腫性中耳炎


これは3才の男の子の鼓膜です。風邪を引いて咳と鼻水が出るとの事で来院されました。お子さんの場合鼻と耳をつなぐ耳管という管が短いので中耳炎になりやすいため、必ず耳を見るのですが、あまり見慣れない鼓膜の所見でした。左右の鼓膜の向こう側(鼓室内)に黄色の塊が見えます。教科書では知っていたのですが、実際に診察するのは初めてで、小児の先天性の真珠腫性中耳炎でした。発生の過程で上皮(鼓膜表面の皮膚細胞)が皮膚の裏側に迷入してしまい、ここでケラチンを産生して黄白色の塊を形成します。この光沢が真珠に似ているため、この名前が付けられています。放置すれば徐々に大きくなって耳小骨や鼓膜を破壊しもちろん聴力は低下し、難聴を来たしますし、発見が遅れれば内耳を破壊し、聴力の改善が見込めない聾になる事もあります。更に進行すれば周囲の神経を侵し、めまいや顔面神経麻痺を来たしますし、もっと発見が遅れれば頭蓋骨まで破壊されて、髄膜炎や脳膿瘍を引き起こし、最悪の場合は命に関わる事もあります。幸いな事にこのお子さんは後日手術を受けられ、この真珠腫塊を除去し、事なきを得ました。いづれにしろ、小さなお子さんは自分で症状を訴える事が出来ませんから、お母様が注意をしていて、何かの折にはきちんと病院を受診して診察を受けるのが大切だと思われます。

投稿者 医療法人杉本耳鼻咽喉科医院

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